「玄米生活を始めたのに体重が減らない」「下腹がぽっこり張って苦しい」というトラブルには、明確な生理学的理由が存在します。
まず痩せない理由として挙げられるのが、摂取カロリーそのものは白米と大きく変わらないという盲点です。お茶碗1杯(約150g)あたりのカロリーは、白米が約234kcalに対し玄米は約228kcalとほぼ同等。「玄米だから太らない」と過信して食べる量を増やしたり、副菜を食べ過ぎたりすれば当然ながら体重は減少しません。
さらにお腹の張りや便秘の悪化を招く主因は、外側の硬い「セルロース」と呼ばれる不溶性食物繊維にあります。不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収して便のかさを増やしますが、普段から水分摂取量が少なかったり咀嚼が不十分だったりすると、腸内で便が硬く詰まり、ガスの発生や腹部膨満感を引き起こします。
一方で、開始後数日から1週間ほどで現れる一時的な便通の変化やだるさは、腸内細菌叢が急激に変化する過程で生じる好転反応(適応期の反応)であるケースもあります。胃腸への負担を減らす消化に良い食べ方として、「一口につき30回以上噛むこと」「常温の水を意識的に多めに飲むこと」「最初は白米と玄米を1対1で混ぜて炊くこと」を徹底すれば、不快な症状は次第に落ち着いていきます。