ペットショップに足を運ぶと、棚には色鮮やかな「赤」や「ピンク」のボールやロープが数多く並んでいます。人間目線では「発色が良くて草むらでも目立つはず」と手に取りがちですが、これこそが飼い主が無意識に陥りやすい最大の落とし穴です。
緑の芝生の上に赤いボールが転がった瞬間、犬の目には「黄褐色(草地)の中に溶け込む暗い茶色の玉」として映ります。色彩的な明度差がほとんど生じないため、動いている最中は動体視力で追えても、ボールが完全に静止した途端に背景と同化して見失ってしまいます。「うちの犬はボール遊びにすぐ飽きてしまう」「探すのが下手」と感じていたケースでも、単にボールが見えていなかっただけという事例がドッグトレーナーの現場指導でも頻繁に報告されています。
犬のおもちゃの色選びにおける最適解は、背景とのコントラストが最も際立つ「青色」、次点で「鮮やかな黄色」や「紫色」です。芝生や土のグラウンドにおいて、青色は犬の視覚に最もクリアに浮き上がって見えます。アジリティ競技のバーや障害物に青と黄の配色が多用されているのも、犬がスピードに乗った状態でも正確に踏切位置を認識できるように設計されているからです。