「開けた瞬間に地獄を見る」というのは、開ける場所と方法を誤っているからに他ならない。本国スウェーデンにおいて、室内に缶を持ち込んで開ける行為は禁忌中の禁忌とされる。正しい作法の第一歩は、屋外で大きめのバケツに水を張り、その水中で缶切りを使って水面下で開栓することだ。水圧がガスの噴射を抑え、液汁の飛び散りと周囲への臭いの拡散を劇的に防いでくれる。
取り出した身は、水で綺麗に洗い流して内臓や皮、骨を丁寧に取り除き、ピンク色の綺麗なフィレ状にする。そのまま食べるのではなく、北欧特有の薄切りパン「トンブロード」の上に塗ったバター、茹でたジャガイモ、細かく刻んだ紫玉ねぎ、そして濃厚なサワークリームとともにサンドするのが伝統の食べ方だ。駐日スウェーデン大使館の広報や現地の人々も推奨するこの組み合わせにより、強烈な酸味と塩気がまろやかな乳製品や根菜の甘みと見事なハーモニーを奏で、至高の味わいへと変貌を遂げる。