近年のアート表現を語るうえで絶対に外せないのが、ゲーム内で使われる「影MOD(シェーダーパック)」の存在だ。レイトレーシング技術の進化により、水面に映る夕日や、木の葉の隙間から差し込む木漏れ日、洞窟の奥で怪しく光るレッドストーンの明かりなど、ゲーム内の光の表現はここ数年で次元が変わった。
イラストレーターたちは、このゲーム内の美しい光の挙動をリファレンス(資料)として観察し、自らのキャンバス上に落とし込んでいる。被写界深度(ボケ感)を意識したカメラワーク風の構図や、エモーショナルな空気感を漂わせる色使いは、まさにゲームとグラフィックアートの相互作用によって生まれた現代独特の表現技法だ。