現在、日本の国政選挙や地方選挙で使われる投票用紙のシェアは、株式会社ユポ・コーポレーションがほぼ100%を独占している。同社は三菱ケミカルと王子ホールディングスが共同出資して設立した合成紙のパイオニア企業だ。
かつて木材パルプ紙が使われていた昭和の選挙では、折りたたまれた投票用紙を開く作業に深夜まで追われ、開票作業の遅延が社会的な課題となっていた。紙を広げる作業中に誤って用紙を破いてしまう事故や、紙粉(しふん)による開票機の故障も頻発していたという。
こうした現場の悲鳴を受け、ユポ・コーポレーションは1980年代後半に選挙専用の特殊合成紙を開発。1989年の参議院議員選挙での採用を皮切りに全国の自治体へ普及し、現在では「日本の選挙に欠かせないインフラ」として盤石の地位を築き上げた。