息子の人生を語る上で欠かせないのが、両親が歩んだあまりにも華やかな、そして波乱に満ちた軌跡だ。沢田研二はグループ・サウンズブームの中心として熱狂的ブームを巻き起こし、渡辺プロダクションの絶対的エースとして日本のポップス界を牽引した。
一方、伊藤エミは妹の伊藤ユミとともに「ザ・ピーナッツ」として世界的な活躍も見せた稀代の歌手だ。7年の交際を経て1975年に結ばれた二人の結婚は「世紀のカップル」と称えられ、1979年の長男誕生はまさに祝福の絶頂であった。
しかし、家庭の平穏は長くは続かなかった。沢田研二の多忙を極める活動と、それに伴うすれ違い。さらに1980年代半ばに持ち上がった不倫報道を経て、1987年に両親は離婚。息子は母である伊藤エミのもとで引き取られ、表舞台の喧噪から遠ざけられた静かな環境で育てられることとなった。