母の病状悪化に伴い、彼女は所属していた浅井企画を退社し、芸能活動の休止を決断する。それは事実上の完全引退だった。表舞台から身を引いたことで、世間との接点は急激に断たれ、自宅という密室の中で介護・高齢者福祉問題の重圧が彼女の両肩にのしかかった。
周囲への迷惑を極端に恐れる几帳面な性格が災いした。「タレントだった自分が福祉サービスに頼るのは恥ずかしい」「自分が産み育ててもらった恩を返さなければならない」。そうした思い込みが、行政のセーフティネットや地域包括支援センターへの相談を遠ざけた。孤立は深まり、家庭内は外部の光が一切届かない閉鎖空間へと変貌していった。