連載開始当初、これほど長期にわたる国民的コンテンツになるとは誰も予測していなかった。しかし青山剛昌氏による巧みな伏線回収と緻密なトリック、そして魅力的なキャラクター造形が、作品を国内トップクラスのミステリー・推理アニメへと押し上げた。小学館の担当編集者やTMSエンタテインメントの制作チームも、誕生日にまつわる仕掛けには並々ならぬ情熱を注いできた。
特に劇場版の記念すべき第1作『時計じかけの摩天楼』では、赤と青のコードを切る切迫したクライマックスシーンにおいて、新一と毛利蘭の「誕生日」と「ラッキーカラー」が運命の鍵を握る構成となっていた。単なる設定上の数字ではなく、物語の重要な推進力として機能させている点に、作家としての並々ならぬ企みが感じられる。こうした細やかな演出の蓄積が、30年近く経った今も色褪せない人気の源泉だ。