「1人あたり数十個」という数字が独り歩きすると、世間はどうしても退廃的なイメージを抱きがちです。しかし、選手村の性事情の真相は、アスリートたちの極めて人間味あふれる心理的メカニズムと直結しています。
過去のメダリストたちの自著や特番インタビューでは、過酷な鍛錬から解き放たれた瞬間の生々しい実情が語られています。米国の競泳スター選手ライアン・ロクテ氏は過去の海外メディア取材に対し、「選手村にいるアスリートの70〜75パーセントは何らかの性的な経験をしている」と赤裸々に告白しました。また、元サッカー女子米国代表のホープ・ソロ氏も自著の中で、「芝生の上や建物の間など、いたるところで関係を持つ選手を見かけた」と回想しています。
こうした現象が起きる背景には、スポーツ科学と心理学が示す明確な理由があります。何年間も禁欲に近い生活を送り、体脂肪を一桁まで絞り込み、極限の緊張状態で競技に挑んだ選手たち。試合終了のゴングが鳴った瞬間、張り詰めていた交感神経の糸が切れ、アドレナリンとテストステロンが残存する中で強烈なリバウンド現象(解放欲求)が発生するのです。
一方で、競技日程が終盤にある選手や、規律を極めて重んじる日本代表チームなどは全く異なる空気に包まれています。日本選手団の元役員への取材によると、「日本勢が集まる居住棟は極めて静粛で、規律正しく管理されている。村全体が狂乱しているというのは完全な偏見」と断言します。競技スケジュールや文化圏によって、選手村の空気は真っ二つに分かれているのが実態です。