ストーリーの根幹を成す緑谷出久と爆豪勝己のダイナミズム。無個性から「ワン・フォー・オール」を継承し、泥臭く泥を舐めながら前進したデク。そして、生まれ持った爆破の能力と圧倒的センスを誇りながらも、自らの弱さと向き合うことで真のヒーロー像を掴み取ったかっちゃん。ふたりの対比と相互理解の軌跡こそが、作中最大のクライマックスを生み出した。
連載初期の構想や裏設定を振り返ると、ふたりのキャラクター造形には緻密な試行錯誤が存在していた。初期案におけるキャラクター像の推敲を経て現在の絶妙な関係性が誕生した経緯や、作中に伏線として散りばめられた「個性」の相互作用、歴代継承者たちの意志の交差など、読み込むほどに発見がある作劇の深みこそがファンを虜にして離さない。