2024年シーズン、右肘手術の影響で投手としての登板を回避し、DH(指名打者)に専念した大谷翔平は、打者として前代未聞の領域へ踏み込んだ。
それまでのMLB歴史において、シーズン「40本塁打・40盗塁」を達成したのはホセ・カンセコ、バリー・ボンズ、アレックス・ロドリゲス、アルフォンソ・ソリアーノ、ロナルド・アクーニャJr.のわずか5人のみ。50-50という数字は、パワーとスピードの限界を超えたフィクションの世界の出来事と考えられていた。
40-40通過点説と盗塁技術の進化
大谷の恐ろしさは、シーズン中盤から盗塁成功率を驚異的な水準まで引き上げたことだ。かつてはパワー重視のバッターが盗塁を試みる際、故障リスクが懸念された。しかし、大谷は一塁走者としてのリード幅、投手の癖の分析、スライディング技術を極限まで磨き上げた。
結果として、成功率90%以上という圧倒的な効率で盗塁を積み重ねた。9月19日のマイアミ・マーリンズ戦では、1試合で6打数6安打、3本塁打、10打点、2盗塁という悪魔的なパフォーマンスを披露し、一気に50-50を突破。最終的に54本塁打・59盗塁でシーズンを終えた。