いま振り返っても、彼女の初期キャリアは異次元の輝きを放っていた。日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した映画『幸福な食卓』で見せた、思春期の揺らぎと繊細な透明感は今なお語り草だ。さらに、社会現象となった『ライフ〜壮絶なイジメと闘う少女の物語〜』では、理不尽に立ち向かう主人公を鬼気迫る熱量で演じ切り、過酷な学園ドラマの金字塔を打ち立てた。
岩井俊二プロデュース、北川悦吏子監督の『ハルフウェイ』で見せた、台本なしの即興演技による瑞々しさも忘れがたい。青春の切なさと痛みを体現するヒューマンドラマにおいて、当時の彼女に比肩する若手女優は皆無だった。あの頃の衝動的な輝きは、形を変えて今の円熟した芝居へと確実に受け継がれている。