インターネット上の言説では時に、「『クリスマス・イブ』はJR東海のCMタイアップがあったから売れただけで、プロモーションの勝利に過ぎない」といった短絡的な見解が見受けられます。しかし、これは音楽史の時系列を無視した誤解です。
実際の記録を検証すると、本曲はCM放送が始まる2年前の1986年の時点で、すでにオリコン週間シングルチャートTOP100入りを果たしています。1983年のアルバム発売直後から、全国のラジオ局の熱心なディレクターやDJたちが冬の定番としてヘビーローテーションし、口コミと有線放送によってじわじわとリスナー層を拡大していたのです。
タイアップはあくまで、すでに強固な楽曲強度を持っていた作品の着火剤に過ぎません。CM終了後も30年以上にわたって自律的に売れ続け、限定レコード盤のリリースや新装版の投入によって毎年新鮮な息吹を保ち続けている事実が、楽曲そのものが持つ圧倒的な生命力を証明しています。