武井勇輝という人物を理解するうえで外せないのが、少年期の過酷なバックボーンと更生の歩みです。埼玉県出身の彼は、10代の頃に暴走族やストリートの抗争に明け暮れ、少年院への送致を2度経験するという極めて荒れた青春時代を過ごしました。
自著や当時の特番インタビューにおいて、彼は少年院の冷たい壁の中で孤独と向き合い、「このままでは終われない」「音楽と拳で自分の存在を証明する」と固く誓った心情を語っています。出院後、2008年に旗揚げされた「THE OUTSIDER」へ参戦すると、その端正なルックスと鋭い眼光、圧倒的な気迫で一躍スターダムへ駆け上がりました。
アウトサイダーでの通算戦績は激闘の連続であり、勝利の美酒だけでなく手痛い敗北も味わいながら、常に会場を最高潮に沸かせるメインイベンターとして君臨しました。彼の戦いは単なるスポーツの試合を超え、「どん底から這い上がる男の生き様」そのものとして観客を熱狂させたのです。