最高額紙幣として1958年(昭和33年)に初めて登場して以来、1万円札の肖像を務めた人物は歴史上わずか3名しか存在しません。日本の発展段階に応じて、国家が紙幣に託したメッセージも大きく変化してきました。
歴代の1万円札を時系列で振り返ると、その時代の空気感と日本の歩みが浮き彫りになります。
最初の聖徳太子は、十七条憲法や冠位十二階を制定した日本の歴史的偉人であり、戦後の混乱期から高度経済成長期へと向かう日本において「和の精神」と信頼の象徴として選ばれました。その後、1984年の刷新で登場した福沢諭吉は、慶應義塾の創設や『学問のすすめ』で知られる近代教育のパイオニアです。福沢諭吉は2004年のマイナーチェンジ(E号券)を挟み、実に40年間にわたって「日本の顔」として親しまれました。