ネット上の言説では「視聴率が振るわないからキャスターを交代させる」という単純な構図で語られがちですが、これには業界特有の大きな盲点が存在します。
深夜報道番組の真の価値は、単体の視聴率だけでなく「TVerやTBS NEWS DIGをはじめとするデジタル配信での再生数」や「報道機関としてのブランド価値(アワード受賞歴や独自スクープの実績)」に強く連動しています。『news23』が独自取材で暴いたスクープや、調査報道企画はネット上で数百万回再生されることも珍しくなく、デジタル空間での拡散力は極めて高い数値を記録しています。
さらに、地上波テレビ全体が直面している「タイパ(タイムパフォーマンス)重視の視聴行動」の中で、深夜に1時間近くじっくりと腰を据えてニュースを見る層自体が減少しています。キャスター個人の求心力だけに頼る時代は終わり、いかにSNSやショート動画と連動して速報と深掘りを両立させるかという、構造的な変革期を迎えているのです。