鶏もも肉のヘルシー調理法を取材するため、編集部は都内の料理教室と管理栄養士複数名に実技指導を依頼した。その結果、鶏もも肉の脂を効果的に落とすための下ごしらえは、以下の3つのアプローチに集約できることがわかった。ここでは実際の調理工程を観察しながら得た知見と、指導者たちの生の声を交えて紹介する。
【ステップ1:皮と皮下脂肪の物理的除去】
まず基本中の基本は、まな板の上で鶏もも肉を皮目からめくり、キッチンバサミまたは包丁で皮を取り除く作業だ。ただし、ここで重要なのは「皮下脂肪まで丁寧に取り除く」こと。皮を剥がすだけでは、身と皮の間に残った黄色い脂肪層がそのまま残ってしまう。管理栄養士の一人は「皮を剥がした後に、ペーパータオルで身の表面を軽く拭き取るだけでも、残存脂肪の量は目に見えて変わります」と指摘する。実際に調理前後の重さを計測すると、皮つき250gのもも肉から皮と皮下脂肪を除去したところ、可食部は約190gに減少。これは約24%の重量減に相当するが、その分の脂質をカットできた計算になる。
【ステップ2:フォークで穴を開けて茹でこぼす】
皮を剥がした後のもも肉に、フォークで表面全体に細かく穴を開ける。このひと手間が、加熱時に肉内部の脂肪を外へ排出しやすくする。次に沸騰したお湯で3〜5分茹でこぼし、浮いてきた脂とアクを丁寧にすくい取る。この茹で汁を捨てることで、さらに脂質を落とせる。現場で指導にあたった管理栄養士は「茹でこぼす際は、お湯の量を肉の2倍以上にしてください。少ないと脂が肉に戻ってしまいます」とアドバイスする。
【ステップ3:蒸し調理またはグリルで仕上げる】
茹でこぼした後のもも肉は、蒸し鶏またはグリルで仕上げるのが最もヘルシーだ。蒸し鶏は追加の油を使わず、さらに肉内部の余分な脂を蒸気とともに落とせる。一方、グリル調理の場合は網の上に肉を置き、脂が下に落ちる設計を活用する。フライパン調理では、キッチンペーパーで出てきた脂を拭き取りながら焼くのがポイントだ。この3段階を経ることで、皮つき鶏もも肉の脂質量を最大で約70%カットできるという。