寿町では、単なる高齢化対策にとどまらない新たな街づくりの胎動が加速しています。
象徴的な取り組みが、簡易宿泊所の空き部屋を旅行者やバックパッカー向けにリノベーションした「ヨコハマホステルヴィレッジ」をはじめとするホステル事業です。安価でアクセスの良い宿泊拠点として国内外の若者や観光客を受け入れ、閉鎖的だったドヤ街に外部の風を吹き込む役割を果たしています。
さらに行政と民間が連携した「寿町総合労働福祉会館(横浜市寿生活館)」の建て替えや周辺整備により、地域の交流拠点や健康福祉拠点が大幅にアップデートされました。近年では、アートイベントの開催や若手クリエイターの流入、コミュニティカフェの開設など、高齢者と若い世代が共生するための先進的な実験が各所で展開されています。
孤立死を防ぐ見守りネットワークや認知症ケアのノウハウが蓄積された寿町は、日本全体が直面する超高齢社会の課題を先取りし、その解決策を提示する「福祉のフロンティア」として国内外の研究者や行政関係者からも熱い視線を集めています。