ハイドレーション(Hydration System)とは、バックパック内部に収納する柔軟な水袋(リザーバー/パック)と、そこから伸びる吸引用ホース(チューブ)、先端の飲み口(バイトバルブ)で構成される給水システムです。もともとは砂漠地帯を走る過酷なバイクレースや軍事用として開発された経緯を持ちますが、現在では登山 水分補給 ハイドレーションの組み合わせが登山のスタンダードギアとして定着しています。
登山愛好家やトレイルランナーがこぞってハイドレーションシステムを登山やレースに導入する決定的な理由は、「行動を一切止めずに、こまめな水分補給が完結する」という点に尽きます。
人間の身体は、体重のわずか2%の水分が失われるだけで運動パフォーマンスが著しく低下し、疲労感や判断力の鈍化を招きます。従来のハードボトルやペットボトルでは「立ち止まる→ザックを下ろす→飲む→ザックを背負い直す」という手間が生じるため、喉の渇きを限界まで我慢してしまう心理的バイアスが働きがちでした。しかし、口元に常にバイトバルブが配置されるハイドレーションであれば、一口ずつ少量を継続補給する「チッピング(点滴飲み)」が自然に行えるため、心拍数を乱さず安定したペースを維持できるようになります。