「ネットを見れば何でもある」というのは幻想にすぎない。実際に動画配信サービスで観られる作品は、過去に制作された全映画・ドラマのほんの一部に過ぎないのだ。権利関係が複雑な昭和の邦画、大人の事情で配信が止まっている海外TVシリーズ、マイナーなドキュメンタリー……。これらを観る手段は、実店舗のレンタル棚以外にほとんど存在しなかった。
街から店舗が消えることで、こうした歴史的作品群へのアクセスが事実上遮断されてしまう。映画評論家や研究者からは「名作のデジタル難民」が発生しているとの懸念が相次ぐ。単なる商業店舗の閉鎖ではなく、地域の「文化アーカイブ」が失われているという側面を見過ごすことはできない。