そもそも、なぜ自然界のアリは全員で必死に働かないのか。生態学の研究によれば、全員が同時に働いてしまうと、予期せぬ危機が発生した際に対応できる「余力(バッファー)」がなくなってしまうからだという。全員が疲弊し、コロニー全体が全滅するリスクを避けるための知恵なのだ。
これは現代のビジネスでも全く同じことが言える。全員が限界までパフォーマンスを発揮している組織は、市場の急激な変化や突然のトラブルに対して極めて脆い。2026年の不確実な経済状況において、常に100%の力で稼働する組織は、少しの衝撃で瓦解する。サボっているように見える2割は、実は組織のレジリエンス(回復力)を担保するセーフティネットなのかもしれない。