2015年、世間を激震させた「30日間不食」の決行。水と少量の塩分、お茶のみで一ヶ月を過ごすというこの実験的試みに対し、世間からは驚きとともに健康面を危惧する声が殺到した。だが、この極限状態を最も近くで見守り、科学的かつ冷静にバックアップしたのが妻の真理子だった。
決して無謀な絶食を煽るのではなく、専門医師との連携を綿密に取り、日々のバイタルサインや精神状態の揺らぎを細かくチェックする。命の危険すら孕む夫の探求心を否定せず、安全に着地させるための防波堤となった彼女の胆力には、関係者からも驚嘆の声が上がった。現在も二人の生活は極めてシンプルで健康的だ。古武術を取り入れた身体操作や自然派の食生活、旅先でのスケッチなど、互いの呼吸を熟知した者同士にしか流れない穏やかな時間がそこにはある。