いつものお気に入りのクッションではなく、薄暗く風通しの悪い部屋の隅やキャットタワーの最下段でじっと身を潜めるように眠る。あるいは、普段なら豪快にお腹を見せて眠る子が、頑なに胸郭を床につけたまま横臥しない。こうした睡眠時の微細な行動変容は、単なる気まぐれではなく、体内の臓器が悲鳴を上げている明確な証拠だ。
特に胸水貯留や肺水腫、肥大型心筋症などを患っている場合、横向きに寝ると肺が圧迫されて呼吸困難に陥る。そのため、猫は前肢を突っ張るようにして胸を床から浮かせ、首を前に伸ばした不自然な伏せ姿勢で仮眠をとらざるを得ない。顎を床やケージの縁に乗せて頭部を不自然に支えている姿も、上気道の閉塞や強い倦怠感を示唆している。これらを見逃すと、数時間後にチアノーゼや呼吸不全を引き起こし、手遅れになりかねない。