経営者にとって、最低賃金法への抵触は絶対に避けなければならない法的リスクだ。法定の賃金額を下回る給与支払いは同法違反となり、50万円以下の罰金が科される可能性がある。固定給制や日給制であっても、時間換算額が地域の基準を下回っていないか厳格な点検が欠かせない。
自社の給与計算が基準を満たしているか不安な場合は、厚生労働省最低賃金ポータルサイトで公開されている計算ツールを活用するのが確実だ。基本給から除外すべき手当(精皆勤手当、通勤手当、家族手当、時間外手当など)を正しく仕分け、正確な時間単価を割り出さなければならない。
人件費の上昇を単なるコスト増で終わらせないため、国の支援制度をフル活用する企業も増えている。業務効率化のための設備投資と賃上げをセットで行う事業者を支援する「業務改善助成金」や、非正規雇用の処遇改善を図る「キャリアアップ助成金」などは、中小企業にとって重要な防衛策となる。