鈴鹿央士のキャリアを語る上で欠かせないのが、岡山県で高校2年生だった2016年秋の出会いです。映画『先生!、、、好きになってもいいですか?』のロケ地となった高校で、エキストラとして参加していた彼を、主演の広瀬すずが偶然目撃。「ものすごい美少年がいる」とマネージャーに直接進言した逸話は、映画雑誌や特番インタビューでも本人が驚きとともに振り返っています。
上京後、2018年に「MEN'S NON-NO」専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、翌2019年の映画『蜜蜂と遠雷』でスクリーンデビュー。天才ピアニスト・風間塵役で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の新人賞を受賞し、彗星のごとく現れた新星として業界の注目を集めました。
そして、その評価を一気に全国区のお茶の間へと浸透させたのが、2026年秋のドラマ『silent』(フジテレビ系)です。主人公・紬(川口春奈)の現在の恋人であり、かつての親友・想(目黒蓮)の病気を受け止めきれず葛藤する戸川湊斗役を好演。見逃し配信サービス「TVer」での歴代最高再生回数を次々と塗り替える原動力となりました。
彼が演じた湊斗は、単なる「都合の良い当て馬」ではありませんでした。自分の未熟さや嫉妬、そして何よりも紬と想への深い愛情の間で激しく揺れ動く姿は、視聴者の胸を締め付けました。放送後にはSNS上で「主成分が優しさ」「湊斗くん」「湊斗派」といった言葉が毎週のようにトレンド1位を独占。自己主張を押し通す従来型の恋愛ドラマのヒーロー像とは一線を画し、相手の幸福のために静かに身を引く切なさを微細な呼吸や視線の揺らぎで表現したことで、俳優・鈴鹿央士の株は決定的なものとなりました。