ネット上には髪のパサつきに関して多くの情報が錯綜していますが、毛髪科学の観点からは明らかな誤解が定着してしまっているケースが見受けられます。
誤解1:「ヘアオイルを塗れば髪が潤う」という錯覚
オイルそのものに髪を潤す水分補給力はありません。ヘアオイルの主目的は「水分の蒸発を防ぐエモリエント効果」と「摩擦・熱からの保護」です。乾燥して水分が枯渇した毛髪にオイルだけを塗布しても、内部のパサつきは根本的に改善されません。水分を抱え込むセラミドや加水分解コラーゲンを含むアウトバストリートメント(ヘアミルク)で潤いを補給した上で、仕上げに少量のヘアオイルを重ねるのが正しいアプローチです。
誤解2:「自然乾燥のほうが熱ダメージを防げて髪に優しい」という誤信
濡れた状態の髪はキューティクルが開いており、毛髪強度が著しく低下しています。自然乾燥をさせると、開いたキューティクルの隙間から毛髪内部の水分が大量に蒸発し、かえって重度のパサつきを引き起こします。洗髪後はタオルドライで水気を優しく拭き取り、速やかにドライヤーの温風で根元から8割程度乾かした後、冷風を当ててキューティクルを引き締めることが鉄則です。
誤解3:「高温で一気にアイロンを通せばダメージが少ない」という思い込み
ヘアアイロンを180℃以上の高温で長時間当てると、髪のケラチンが瞬時に硬化し、元に戻らない熱ダメージ(炭化現象)を招きます。パサつきや広がりを抑えたい場合は、140℃〜160℃の設定温度を守り、同じ箇所に2秒以上留まらないスピーディーなスルーを徹底する必要があります。