物間寧人の個性「コピー」は、他者に直接触れることでその能力を一時的に自分のものとして行使できる強力な異能です。しかし、万能に見えるこの力にはシビアなルールと制約が存在します。
対象に触れることでストックでき、合同訓練編の時点では保持可能枠が最大4つ、持続時間が10分間へと進化しました。戦況に応じて適切な個性を瞬時に切り替えて戦うスタイルは、卓越した状況判断力と柔軟な知性がなければ到底扱いきれません。
一方で、最大の弱点として立ちはだかるのが「蓄積系個性の不発(通称:スカ)」です。緑谷出久の「ワン・フォー・オール(OFA)」や壊理(エリ)の「巻き戻し」、ファットガムの「脂肪吸着」のように、時間をかけてエネルギーや特性を体内に蓄える必要がある個性は、器をコピーしても中身の蓄積がゼロであるため発動できません。
幼少期から「お前の個性じゃ一人で何もできない」「ヒーローには向いていない」と嘲笑されてきた物間は、自身の個性が持つ冷酷な限界を誰よりも理解していました。だからこそ彼は、単なる自己顕示ではなく、他者の個性を寸分狂わず把握し、最も効果的なタイミングで繋ぎ合わせる「戦術の指揮官」へと自らを鍛え上げたのです。