博物学者であり深海生物への造詣が深い荒俣宏氏をはじめ、多くの識者がこの深海のミステリーに魅了されてきた。荒俣氏は著書やコメンテーターとしての発言を通じ、人間が安易に踏み込めない領域に棲む生き物への敬意と、その保全の難しさを訴え続けている。
近年、テレビ放送やデジタル配信の発達により、自然界で元気に泳ぐラブカの映像を誰でも視聴できるようになった。特に質の高い深海生物ドキュメンタリー番組や、NHKオンデマンドでアーカイブ配信されている深海探査特集では、無人潜水艇(ROV)が捉えた野生ラブカの美しい泳ぎを観察できる。
暗黒の海をうねるように進む本物の姿を見れば、水族館の展示水槽という狭い空間がいかに彼らにとって異物であるかが理解できるだろう。