インターネット上の言説を精査すると、派手な芸能スキャンダルとは対照的に、モラロジーと交わる著名人の顔ぶれはきわめて重厚である。いわゆる芸能界のポップスターが表立って信奉を公言している例は極めて稀だが、財界の首領、歴代の政治家、保守派を代表する学者や言論人の名前が次々と浮上してくる。
著名な経営者たちが社員教育の一環としてモラロジーの教えを取り入れ、歴代の閣僚経験者が関連イベントに祝電を寄せたり講演を行ったりする事例は後を絶たない。芸能人を広告塔にして急激な拡大を図る新興グループとは異なり、知る人ぞ知るエスタブリッシュメント層に静かに浸透している点こそが、外側からの見えにくさと特異な存在感を生み出している。