「錦織はもうピークを過ぎた」「年齢的に限界」——ネット上ではこうした声が飛び交う。だが、実際のプレーデータを検証すると、単純な「衰え」では片付けられない構造が見えてくる。
ATP公式のスタッツによると、2026年シーズンの錦織のファーストサーブ平均速度は時速187kmで、全盛期の2016年と比較して約6km/hの低下に留まる。一方で、セカンドサーブの平均速度はむしろ3km/h向上している。これは、年齢による体力低下を技術とコースの打ち分けで補完している証拠だ。さらに、リターンゲーム獲得率は2016年が31.2%だったのに対し、2026年は28.9%と大きな落ち込みは見られない。
問題は「走行距離」だ。試合中の平均移動距離は全盛期より約18%減少しており、長いラリー戦で下がりながら打つ場面が目立つ。股関節の手術歴がある錦織にとって、ハードコートでの連戦は依然として最大のリスクとなっている。