実際に花柳流の師範として第一線で活躍する舞踊家たちは、どのような経歴を辿り、どのような活動を行っているのだろうか。公表されている実績から具体例を挙げる。
例えば、大阪市住之江区粉浜に稽古場を構える花柳旭扇(はなやぎ きょくせん)氏は、母である花柳寿月延氏から幼少期に手ほどきを受けた。15歳で名取となり、23歳という若さで難関の師範試験に合格した経歴を持つ。現在は関西を拠点に全国各地での舞台出演を重ねる傍ら、教育活動にも精力を傾けている。
また、東京と大阪を中心に多角的な指導を展開する花柳輔悠奈(はなやぎ じゅうな)氏は、現家元である五世花柳壽輔氏に直接師事。2001年に名取試験へ合格した後、2014年に師範資格を取得した。古典舞踊の教授にとどまらず、舞台演出や企画、教育機関での講師活動まで幅広く手掛けている。
これらの事例が示すように、花柳流の師範は数年単位ではなく、十奇数年以上にわたる厳しい鍛錬を経て、家元から認められた技術と信頼を保持している。