この変化の波は大都市圏の専売特許ではない。地方の歴史的建造物や使われなくなった酒蔵、古民家を活用したプレミアムな夜間エンターテインメントが、新たな観光の目玉として各地で芽吹いている。
京都の郊外では、築100年を超える酒蔵の空間をそのまま活かした限定ナイトイベントが定期開催されている。地元の伝統打楽器とディープな電子音楽が融合したセッションに、世界中から感度の高いトラベラーが集う。地場の旬の食材やローカルクラフトドリンクが振る舞われ、イベントの収益はダイレクトに地域の保全費用へと還流する仕組みだ。
単なる夜遊びの場を超えて、地域の文化と歴史を再解釈して発信するハブとなる。夜間観光資源の乏しかった地方都市にとって、このローカル・ナイトカルチャーの創出は地域経済を再生させる強力なエンジンとなっている。