『ハイティーン・ブギ』は、原作・後藤ゆきお、作画・牧野和子により小学館の『プチセブン』にて1977年から1984年にかけて連載された少女漫画です。単行本は全26巻、累計発行部数は数百万部を突破し、当時のティーンエイジャーから圧倒的な支持を集めました。物語は、バイクに情熱を燃やす不良少年・藤丸翔と、良家のお嬢様・宮下桃子が出会い、激しい恋に落ちる王道のラブストーリーとして幕を開けます。
暴走族「死神軍団」の抗争、ライバルとの対立、そして桃子の予期せぬ妊娠と流産、親からの勘当など、物語は過酷な試練の連続です。映画版(1982年公開、舛田利雄監督)では、アイドル映画としてのカタルシスを重視し、翔が過酷なバイクレース「筑波サーキット」での戦いを経て桃子と未来への希望を掴むオープンエンドで幕を閉じます。スクリーン越しに描かれた2人の疾走感は、多くの観客に爽快な感動を与えました。
しかし、原作漫画の結末は映画とは真逆の極めてシリアスな展開を辿ります。翔はプロのオートバイレーサーとしての道を歩み始めますが、雨中のレースで大事故に遭い、若くして命を落としてしまいます。残された桃子は翔との子どもを産み育て、シングルマザーとして過酷な社会を生き抜く決意を固めるという、骨太で哀切に満ちたリアリズムで物語は幕を閉じます。