イラストが持つ静謐な熱量は、やがて言葉の魔法と巡り合うことになる。ベストセラー作家の望月麻衣が手がけたノベライズ作品は、絵の中に眠るストーリーを鮮やかに開花させた。文春文庫から刊行された『満月珈琲店の星詠み』シリーズは、占星術と人間模様が見事に交錯する珠玉の幻想小説だ。
人生の岐路に立ち止まる人々が、マスター猫の差し出す不思議なメニューと星の教えによって前を向いていく。心に染み入るドラマティックな展開は読者の涙を誘い、文庫本は重版を重ねる大ヒットとなった。絵と言葉が対等な高みで響き合う本シリーズは、出版業界に新たな風を吹き込んだ。