日常的によく見られる変化として「尿が普段より濃い」または「水のように薄い」という現象が挙げられます。一時的な生理現象であることも多い一方で、内分泌系や腎機能のトラブルが隠れているケースも少なくありません。
まず、犬の尿が濃い黄色になる原因の多くは、飲水量の減少による軽度の脱水や、睡眠中に尿が濃縮される朝一番の排尿です。しかし、十分な水を飲んでいるにもかかわらず、日中も継続して濃い琥珀色や山吹色の尿が出る場合は、体内で過剰な水分喪失が起きているか、熱中症や発熱を伴う感染症にかかっている疑いがあります。
対照的に、まるで水道水のように犬の尿が透明で多飲多尿(水を大量に飲み、薄いおしっこを大量に出す)の状態が続く場合は、より強い警戒が必要です。腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物を濃縮して排出する力が衰え、薄い尿が過剰に排泄されるようになります。これは中高齢犬に多い慢性腎臓病の典型的なサインであるほか、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)や糖尿病でも頻繁に観察されます。「おしっこが無色だからキレイで安心」と誤解せず、飲水量と排尿回数の急増に注意を払う必要があります。