手羽先の世界は今、大きく二つの勢力に分かれている。ひとつは、カリッと揚がった素揚げに秘伝の甘辛ダレと大量のスパイスをまぶす「名古屋王道スタイル」だ。山ちゃんに代表される強烈な胡椒のパンチや、風来坊に代表される絶妙なタレのコクは、何十年経とうが揺るがない圧倒的な中毒性を誇る。
対する新勢力が、ここ数年で一気に台頭した「極厚衣の韓国フライドチキン流」や「クラフトハーブスパイス系」だ。自家製の麻辣スパイス、燻製パプリカ、トリュフ塩など、従来の居酒屋の枠を超えた洋・中・エスニックの融合アプローチが若年層を中心に絶大な支持を得ている。今夜の気分が「ビールを流し込むガッツリ感」なのか、「ハイボールやナチュラルワインと楽しむ洗練」なのかによって、目指すべき店は180度変わる。