物語の象徴である「鬼の手」。その正体は、ぬーべー自身の霊能力だけではなく、美奈子先生の命がけの封印術によって成立している。霊力ゆえに命を狙われた少年・鵺野鳴介を守るため、彼女は己の肉体を投げ打ち、解き放たれた地獄の鬼・覇鬼を自身の魂もろとも鳴介の左手へと押し込めた。
この凄絶な決断によって、覇鬼の邪悪な力は美奈子先生の聖なる魂によって制御されることとなる。ぬーべーが普段から着用している黒い手袋。それは、恐ろしい鬼の力を隠すためのものであり、同時に「最も愛した恩師の魂を常に抱えて生きている」という切ない現実の象徴でもあるのだ。この二重の構造が、キャラクターとしてのぬーべーに唯一無二の深みを与えている。