欧州を中心に法制化が進む「忘れられる権利」は、日本国内においては未だ明確な基準が確立されていない。更生した犯罪者のプライバシー権は尊重されるべきだという意見がある一方で、社会を震撼させた凶悪犯の情報を知る権利は公益にかなうという主張も根強い。
特に、少年犯罪における実名報道の制限は、被害者側の感情との乖離が常に指摘されてきた。加害者が名前を変え、新たな人生を歩む一方で、奪われた命と遺族の苦悩は一生終わらない。この不条理さが、ネット上での実名暴露行為を正当化する大義名分として機能してしまっている側面は否定できない。