裏社会の資金流動に詳しい関係者や警察庁の捜査資料によれば、組織トップが保持、あるいは実質的に管理下におく資産規模は数十億円規模に達すると長年囁かれてきた。その資金源の核となるのは、直系組長らから毎月徴収される上納金システムだ。集められた多額の資金は、組織の維持や法的な防衛費用のみならず、トップの基盤を支える原資として機能する。
もっとも、近年の金融口座凍結や徹底した取締りの下で、現金のまま保管される資金はごく一部だ。不動産名義の細分化、親族や知人を介した第三者名義での資産形成、さらには有価証券や海外ファンドを経由した迂回投資など、そのマネーフローは極めて巧妙である。表舞台に出てこない流動資産の実態が、当局の徹底的な捜査分析によって徐々に浮かび上がってきた。