彼女の料理を語る上で欠かせないのが、2019年に旅立った夫でありイラストレーターの和田誠氏の存在だ。「美味しいね」と笑顔で食べてくれる夫のために作り続けた日々が、彼女の発想の原動力だった。和田氏が愛した「レミごはん」の数々は、今や息子の妻である和田明日香ら次世代の料理家たちへと受け継がれている。
家族という最小単位のコミュニティを「おいしい食卓」で温め続けた経験。それが彼女の料理に漂う、独特のあたたかみと包容力の源泉だ。悲しみを乗り越え、今日も笑顔でフライパンを振るう姿は、多くの人々に勇気を与え続けている。