これまで固く閉ざされていた宮内庁関係の一次資料や側近の日誌類が新たに一般へ開示され、出版・報道メディア業界に大きな衝撃を与えている。今回明らかになった記録には、国家の存亡を揺るがす局面において、彼女がどのような心情で日々の祈りを捧げ、家庭内の空気を保ち続けたのかが克明に綴られていた。
「どんなに緊迫した情勢にあっても、お側に入れば不思議と穏やかな空気が流れていた」。当時の宮内府・侍従職関係者が遺したメモには、昭和の激浪を間近で見た者ならではの実感が刻まれている。大本営発表に日本中が揺れた日々も、空襲の恐怖が皇居に迫った夜も、感情を乱すことなく周囲を気遣う姿は、周囲の人々にとって最大の精神的支柱だった。歴史の教科書に載る政治決断の影で、皇室の日常を崩さず維持し続けたその存在感は、私たちが想像する以上に重く、深かったのである。