柳楽優弥という俳優の真骨頂は、観客の感情を一瞬で反転させる表情のグラデーションにあります。多くのファンが言及する柳楽優弥の笑顔のギャップは、単なるビジュアルの良し悪しにとどまらず、彼が演じる役柄の「凄み」と「素顔のチャーミングさ」の振れ幅の大きさによって生まれています。
象徴的なのが、ディズニープラスで世界配信され社会現象となった主演ドラマ『ガンニバル』です。閉鎖的な村の狂気に立ち向かう警察官・阿川大悟役で見せたのは、剥き出しの闘争心と血走った眼光でした。極限状態の中で見せる獰猛な表情は「柳楽優弥の演技力、ここに極まれり」と国内外の批評家から絶賛されました。ところが、同作のメイキング映像や公式インタビュー、舞台挨拶の場に現れた彼は、緊張感に満ちた役柄とは打って変わって、共演者やスタッフに囲まれてくしゃっとした笑顔を弾けさせていました。
この「凄まじい狂気」と「愛嬌あふれる可愛さ」の同居こそが、視聴者を惹きつける最大のフックとなっています。SNS上でも「ガンニバルの凶暴な顔を見た後に番宣の笑顔を見ると、同じ人物とは思えなくて脳がバグる」「あんなに怖い役をやっているのに、笑うと一気に子犬のような愛らしさになるのがズルい」といった投稿が相次ぎました。感情の振り幅が大きいほど、笑顔を見せた際の安心感と親近感は跳ね上がります。彼が意図的あるいは本能的に生み出すこの心理的コントラストが、見る者を沼へと引きずり込むのです。