中学校や高校の公民分野でも扱われる政党制度ですが、実務政治における二大政党制と多党制の差異は、単に「政党の数」だけにとどまりません。政権交代のプロセスと民意の反映方法に決定的な違いが存在します。
二大政党制とは、議会において政権獲得を競い合える規模を持つ政党が実質的に2つ存在し、選挙を通じて単独過半数を獲得した政党が政権を担う仕組みです。最大の強みは「民意による直接的な政権選択」が可能である点にあります。有権者が1票を投じることで、どの党のリーダーが首相や大統領になるかが明確に決まります。
一方、多党制(3つ以上の有力政党が併存する体制)では、単独で過半数を獲得する政党が現れにくいため、選挙後に政党間で政策協議を行い連立政権を樹立するのが通例です。少数意見が政治に届きやすい反面、選挙後の密室協議によって首相や閣僚のポストが取引される「キャスティングボートの乱用」が起こりやすい側面を持ちます。