トリュフォーの分身として思春期から銀幕を駆け抜けてきたジャン=ピエール・レオは、情動のままに暴走する若手俳優アルフォンスを怪演した。「女は魔法か? それとも何でもないのか?」と問い詰める彼の幼稚で剥き出しの純粋さは、現場を幾度となく混乱に陥れる。
その熱狂の対極に立つのが、ハリウッドから招かれた美しき女優ジュリーを演じたジャクリーン・ビセットだ。精神的な脆さを抱えながらも、カメラの前では完璧なプロフェッショナリズムを保とうとする彼女の佇まいは、脆さと気高さの極致を描き出した。レオの激情とビセットの優美さが激突したとき、フィルムは虚構のドラマを超えた生々しい人間ドラマの震えを定着させた。