圧倒的なヒールを履きこなし、愛と誇りを叫んだミュージカル『キンキーブーツ』でのローラ役は、彼の演劇人生におけるひとつの到達点だった。重圧や葛藤を抱えながらも、全身全霊で役と向き合い、客席をスタンディングオベーションで包み込んだあの瞬間は、多くの人々の胸に深く刻まれている。
所属するワタナベエンターテインメントのバックアップを受けつつ、近年ではより自由度の高い舞台演出にも注力している。演劇とは、生きている人間が同じ空間で呼吸を分かち合う奇跡の場だ。その信念があるからこそ、彼の演出するステージには血の通った温もりと、息をのむような緊張感が同居する。