クロスシートが減少した背景には、運行側の都合だけでなく、乗客間のコミュニケーションやマナーに対する意識の変化も関係しています。とりわけ電車のボックスシートにおけるマナーや相席の心理的負担は、現代の通勤事情において度々議論になるテーマです。
見知らぬ乗客と対面で座る際、足の置き場に気を使ったり、荷物を隣の席に置いたままにしてトラブルになったりするケースは後を絶ちません。スマートフォンの普及によって視線のやり場に困る人が増えたことも、「できれば他人の視線を感じにくいロングシートや2人掛け席に座りたい」という心理を強める要因となりました。
相席時は手荷物を膝の上か網棚に収め、足を広げすぎないといった基本的な配慮が求められますが、そうした気疲れそのものが、固定クロスシート離れを後押しした側面は否定できません。