声が枯れた際、多くの人が無意識に行ってしまう対処法の中に、かえって声帯へのダメージを深刻化させる落とし穴が存在します。
誤解1:声を休めるために「ささやき声(ひそひそ声)」で話す
声が出しづらいとき、小声やささやき声で会話をしようとする人が大半です。しかし、音声生理学の研究において、ささやき声は通常の会話発声よりも声帯および周囲の喉頭筋に強い摩擦と緊張を強いることが実証されています。無理に絞り出すようなささやき声は、傷ついた声帯粘膜をさらに擦り減らす行為に他なりません。声を温存したい場合は、小声で無理に喋るのではなく「筆談やテキストチャットを使い、発音そのものを完全に止める(絶対沈黙)」ことが鉄則です。
誤解2:強い殺菌成分入りのうがい薬で頻繁にうがいをする
喉の炎症を抑えようとして、ヨード系などの強力な殺菌うがい薬を1日に何度も使用するケースがあります。しかし、喉頭粘膜を保護している正常な粘液バリアまで洗い流してしまい、結果として声帯の乾燥を助長させることがあります。日常のケアとしては、刺激の少ない生理食塩水やぬるま湯でのうがいが最も推奨されます。