近年、Z世代を中心に定番ケアとして定着した「ニキビパッチ」ですが、その使い方には皮膚科学的な重大な盲点が存在します。現在市販されているパッチには、単に患部を保護する「密閉型ハイドロコロイドタイプ」と、サリチル酸やティーツリーオイルなどの有効成分を微細な針状に成形した「マイクロニードルタイプ」が存在します。
注意すべきは、すでに激しく化膿している赤ニキビや黄ニキビに対して、薬剤を含まないハイドロコロイドパッチを隙間なく密閉貼付する行為です。アクネ菌は空気を嫌う偏性嫌気性菌であるため、患部を完全密閉して酸素を遮断すると、パッチの内部で菌が爆発的に増殖する温床となってしまいます。赤ニキビに対してパッチを使用する場合は、抗炎症薬を薄く塗布した上で保護するか、殺菌・角質柔軟成分が配合された専用パッチを短時間使用する運用が正解です。
さらに、ネット上で散見される「オロナインを厚塗りして絆創膏を貼る」「消毒用エタノールで患部を拭き取る」「歯磨き粉を塗って乾燥させる」といった民間療法は極めて危険です。これらは皮膚の常在菌バランスを根こそぎ破壊し、接触皮膚炎(かぶれ)や化学熱傷に似た炎症を引き起こすリスクが高いため、絶対に行ってはなりません。