赤い彗星シャアの真実|通常の3倍の理由と赤き機体に秘められた過去

赤い彗星シャアの真実|通常の3倍の理由と赤き機体に秘められた過去

赤い彗星シャアの真実|通常の3倍の理由と赤き機体に秘められた過去の見逃せないポイントを一挙に解説しました。

「赤い彗星」を語る上で欠かせないのが「通常の3倍のスピードで接近してくる」という有名なフレーズです。しかし、当時のジオン軍公式スペック資料や技術考証を精査すると、機体そのものの推進推力が3倍あったわけではないという明確な事実が浮かび上がります。

シャアが搭乗した「MS-06S 指揮官用ザクII」は、一般兵が乗る「MS-06F 量産型ザクII」と比較して、推進器の推力向上率はおよそ約30%(1.3倍程度)に過ぎません。ではなぜ、連邦軍のベテランオペレーターやパイロットたちは「3倍」と計測・認識したのでしょうか。そこには3つの決定的な理由が存在します。

第1の理由は、安全リミッターの解除による推進剤の瞬間燃焼です。S型ザクはジェネレーターとバーニアの出力上限が引き上げられていましたが、それはパイロットにかかる過大なG(加速度)と推進剤の急激な枯渇を意味していました。生還を度外視したこの限界機動を乗りこなせるパイロットは、ジオン全軍でもシャアただ一人でした。

第2の理由は、宇宙空間に存在する母艦や残骸(デブリ)を蹴り飛ばして加速する「反動推進戦術」です。バーニア噴射の力だけに頼らず、自機の質量と脚部の反発力を利用して急激な方向転換と加速を繰り返すことで、観測機器上の移動軌跡は非連続的になり、直線移動しか想定していない敵のレーダー予測針路を完全に狂わせました。

第3の理由は、敵艦の正面から最短距離で突進し、攻撃直前で直角に離脱する「一撃離脱戦術(ヒット・アンド・アウェイ)」による視差効果です。正面から相対速度を保ったまま接近される目標側からは、接近速度が極大化して知覚されるため、データ上の30%増が感覚的に「3倍の猛スピード」として体感されたのです。

橋本 菜々子
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橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。