感覚論だけではない。現代のメジャーリーグベースボールにおいて最も冷徹な指標であるセイバーメトリクスが、大谷の異変を冷酷な数値として突きつけている。
バレル率(Barrel%)は全盛期の20%超から急落し、今季は打球初速110マイルを超える痛烈な打球の割合が激減。ゾーン外のスイング率(O-Swing%)の上昇は、相手バッテリーによる徹底した「高低・内外の対角線攻め」に視覚的な焦りが生まれている証左だ。最先端のスポーツアナリティクスを駆使する他球団のアナリスト陣は、内角胸元のハードボールで体勢を起こし、外角低めのチェンジアップで仕留めるという対大谷用データを完全にアップデートした。
数字は嘘をつかない。だが同時に、解析データは底を打ったポイントを特定する手掛かりにもなる。データアナリストたちは、打球角度が本来の理想値である25〜30度から逸脱し、ゴロ率が跳ね上がっている点に修正の照準を定めている。